【誤った知識】突き指は、引っ張って治せ

 指先に物(ボールなど)が急激に当たって起こる外傷のことを“突き指”と総称していうことが多いようです。単なる打撲や捻挫のこともあれば、骨折や脱臼あるいは腱や靭帯が切れていることもあります。確かに整形外科医は診断をつけた後で骨折や脱臼を整復するために指を引っ張ることがあります。しかし、X線撮影も行わずに正確な診断を行わないまま、一般の方が整復操作を行うことは、さらに新たな損傷を加えることになり、極めて危険なことなのです。
 例えば、外傷によって一番先端の関節が腫れて指が伸びないことがあります。この場合、必ずX線撮影が必要です。指をのばす腱が断裂している場合と、先端の骨が折れている場合があるからです。手術を必要とする場合もあります。(図)
 このように、たかが「突き指」だと勝手に判断しないで、整形外科医の診断を受けてください。そして、診断がつく前に無理に引っ張ることは危険ということを是非覚えておいてください。
突き指
「正しい診断」と「適切な治療」が重要です