野球少年へのアドバイス

 少年たちに、野球を楽しく永く続けてもらうために、日本臨床スポーツ医学会は、1994年に、「青少年の野球障害に対する提言」を発表していますので、ご紹介します。

野球肘の発生は、11・12歳がピークです。
したがって、野球指導者は特にこの年代の選手の肘の「痛み」と「動きの制限」に注意しなければなりません。
野球肩の発生は、15・16歳がピークです。
肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払う必要があります。
野球肘・野球肩の発生頻度は、投手と捕手に高い。
したがって、各チームには投手と捕手は2名以上育成しておく必要があります。
練習日数と時間について
小学生では、週3日以内、1日2時間以内が望ましい。
中学生・高校生では、週1日以上の休養日が必要で、
個々の選手の体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
投球数は、試合を含めて
小学生では、1日 50球以内、週200球以内、
中学生では、1日 70球以内、週350球以内、
高校生では、1日100球以内、週500球以内、が望ましい。
なお、1日2試合の登板は禁止すべきです。
小・中学生にはシーズンオフを設け、その間は野球以外のスポーツも楽しむ機会を与えるのが望ましい。
野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その予防のためには、指導者との密な連携のもとで専門医による定期的検診が必要です。